はじめに|「こんなはずじゃなかった」と感じる理由
理学療法士として入職したあとに、
「思っていた職場と違った」
「こんな働き方だとは想像していなかった」
と感じた経験がある方は少なくないと思います。
入職前には求人票も確認し、見学や面接も受けている。
それでも生まれるこの違和感は、
能力不足や準備不足というよりも、
“見えていた情報の種類”が限られていたことが原因であることが多いと感じます。
この記事では、
理学療法士が入職後に感じやすい「想定外」の正体を整理し、
事前にどんな視点を持っておくと後悔を減らしやすいのかを考えていきます。
1.理学療法士が入職後に感じやすい「想定外」とは何か
ここでいう「想定外」とは、
聞いていなかった事実というよりも、
具体的に想像できていなかった現実に近いものです。
たとえば、
- 忙しいとは聞いていたが、どの時間帯がどれくらい忙しいのか
- 教育体制があるとは聞いたが、誰がどこまで見てくれるのか
- 人間関係は問題ないと言われたが、相談しやすさまでは分からなかった
こうした点は、
求人票や面接では断片的にしか見えません。
そのため、入職後に
「聞いていた話と違う」というより、
「ここまでとは思っていなかった」という感覚につながりやすくなります。
2.想定外①|業務量・役割のギャップ
入職後に多く聞くのが、
業務量や役割の中身に対する想定外です。
リハビリ業務以外にも、
- 書類作成
- 会議や委員会
- 多職種対応や家族対応
といった業務が日常的に入ってくる職場は少なくありません。
「忙しい職場」と聞いていても、
実際に忙しさを感じる理由が、
- 患者数が多いのか
- スケジュールが詰まりすぎているのか
- リハ以外の業務が多いのか
で、負担の質は大きく変わります。
この違いを想像できていないと、
入職後にギャップを感じやすくなります。
3.想定外②|教育・フォロー体制の現実
教育体制についても、
入職後に想定外を感じやすいポイントです。
「教育体制あり」「OJTあり」と書かれていても、
- 誰が教えるのか
- どのタイミングでフォローが入るのか
- 質問しやすい雰囲気があるのか
は、実際に働いてみないと分かりにくい部分です。
自立を求められること自体は悪いことではありませんが、
「見守られている自立」と
「放置に近い自立」は、受け取る側の負担が大きく異なります。
ここにズレがあると、
「聞きづらい」「頼りづらい」という感覚につながりやすくなります。
4.想定外③|人間関係・職場の空気感
人間関係は、求人票ではほとんど判断できない要素です。
表面的には問題がなさそうでも、
- スタッフ同士の会話が少ない
- 忙しいとピリピリした空気になりやすい
- 意見を出しにくい雰囲気がある
といった空気感は、入職後に初めて実感することが多いです。
特定の誰かが原因というより、
職場全体の空気や慣習が合わないケースも少なくありません。
こうした点は、
「慣れれば大丈夫」と我慢すると、
じわじわとストレスになりやすい部分です。
5.想定外④|働き方・裁量のズレ
働き方に関する想定外も、後悔につながりやすいポイントです。
たとえば、
- 残業は少ないと聞いていたが、実際は記録を持ち帰っている人が多い
- 判断の裁量があると思っていたが、細かいルールが多い
- 責任は重いが、裁量は少ない
こうしたズレは、
仕事内容そのものよりも、
仕事への向き合い方に影響します。
自分がどこまで判断し、どこから相談するのか。
その線引きが合わないと、働きにくさを感じやすくなります。
6.「想定外」を防ぐために事前にできる視点
想定外を完全になくすことはできませんが、
減らすための視点は持つことができます。
条件を見るだけでなく、
- 1日の業務の流れを具体的に想像する
- 忙しい時間帯や落ち着く時間帯を確認する
- 教育や相談がどの場面で行われているかを聞く
また、見学や面接で感じた違和感を、
「気のせい」と流さず、
何に引っかかったのか言葉にしてみることも大切です。
7.それでも想定外はゼロにはならない
どれだけ準備しても、
入職後に初めて分かることは必ずあります。
だからこそ重要なのは、
- 自分が許容できる想定外
- どうしても避けたい想定外
を分けておくことです。
すべてを完璧に予測するのではなく、
「ここだけは譲れない」という軸を持っておくことで、
後悔は大きく減らせます。
まとめ|想定外は「情報不足」ではなく「視点不足」で起きる
理学療法士が入職後に感じる想定外は、
情報が足りなかったというより、
見る視点が限られていたことから生まれることが多いです。
条件だけでなく、
現場の構造や空気感、働き方の中身を見る意識を持つことで、
「こんなはずじゃなかった」という後悔は減らせます。
納得感のある職場選びにつなげるために、
想定外を恐れるのではなく、
向き合い方を少し変えてみることが大切です。


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