「あの対応でよかったのか」と、仕事後も考えてしまうあなたへ
「あの対応、本当にあれでよかったのかな」
仕事が終わってからも、頭の中で何度も場面を思い返してしまう。
理学療法士として働いていると、そんな経験は決して珍しくありません。
大きなインシデントではない。
でも、患者さんへの声かけ、評価の視点、介入の選択――
あとから考えると「別のやり方があったかもしれない」と思ってしまう。
真面目に仕事をしている理学療法士ほど、こうした“失敗感”を引きずりやすい傾向があります。
この記事では、
・なぜ理学療法士は失敗を引きずりやすいのか
・そこから立ち直るために知っておきたい「回復の考え方」
について整理していきます。
理学療法士が失敗を引きずりやすい原因5つ
先に結論からお伝えします。
理学療法士が失敗を引きずりやすい背景には、次のような特徴があります。
- 1.患者さんの人生に関わる責任感が強い
- 2.正解が一つではない仕事構造
- 3.振り返り文化が強く、自己否定に傾きやすい
- 4.相談しにくい職場環境になりがち
- 5.失敗=能力不足と結びつけてしまう思考癖
それぞれ順に見ていきます。
患者さんの人生に関わる責任感が強い
理学療法士の仕事は、単なる作業ではありません。
患者さんの生活、人生の一部に直接関わる仕事です。
そのため、
「自分の判断でこの人の回復が左右されるかもしれない」
という責任感を、無意識のうちに背負っています。
この責任感が強いほど、
・結果が思うように出なかった
・患者さんの反応がよくなかった
ときに、「自分のせいではないか」と感じやすくなります。
これは能力の問題ではなく、
患者さんを大切に思っているからこそ起こる反応です。
理学療法士の仕事は「正解が後から見えてくる」
理学療法士の評価や介入には、明確な正解があるわけではありません。
その場では最善だと思った判断でも、時間が経ってから
「別の選択肢もあったかもしれない」
と見えてくることがあります。
これは、結果を見てから判断できる“後出しの視点”が加わるためです。
当時の情報、患者さんの状態、環境条件を無視して、
現在の視点だけで過去の自分を評価してしまう。
これが、失敗を必要以上に重く感じさせる原因になります。
振り返りが成長ではなく自己否定になるとき
理学療法士の現場では、振り返りが重視されます。
本来、振り返りは成長のための大切なプロセスです。
しかし、振り返りが
「自分はダメだった」
「また同じことを繰り返している」
という結論で終わってしまうと、回復にはつながりません。
成長につながる振り返りは、
・何が起きたのか
・その時、なぜそう判断したのか
・次に活かせる点は何か
を整理することです。
自分を責めること自体が目的になってしまうと、
失敗は長く尾を引くようになります。
失敗を一人で抱え込むほど回復は遅れる
理学療法士は、
「これくらいで相談するのは弱い」
「経験年数的に聞きにくい」
と感じやすい職種です。
特に中堅以上になると、
失敗や迷いを表に出しにくくなります。
しかし、頭の中だけで考え続けると、
同じ思考が何度もループし、感情だけが残ってしまいます。
誰かに話すことで、
・事実が整理される
・感情と判断を切り分けられる
・別の視点が入る
といった効果が生まれます。
失敗から立ち直るための「回復思考」
失敗を引きずらないために大切なのが、「回復思考」という考え方です。
回復思考とは、失敗を
評価ではなく、情報として扱う視点です。
具体的には、
1.起きた事実
2.その時の判断
3.そこに伴った感情
を分けて整理します。
「結果がうまくいかなかった=自分がダメ」
と一括りにせず、
「この条件では、こういう反応が出た」
という情報として扱う。
そして、
「次に同じ状況なら、何を一つ変えるか」
と考えることで、失敗は前に進む材料になります。
まとめ|失敗を引きずる理学療法士ほど、仕事に真剣
失敗を引きずってしまうのは、
理学療法士として仕事に真剣に向き合っている証拠です。
立ち直れないのではなく、
立ち直り方を教わる機会がなかっただけかもしれません。
回復思考を知っておくだけで、
仕事の持ち帰り方は大きく変わります。
自分を責め続けるのではなく、
少しずつ「次につなげる整理」ができるようになる。
それが、理学療法士として長く働き続けるための土台になります。


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