40代は、理学療法士として大きな転換点です。
経験は十分にあるし、技術にも自信がある。
それでもふとした瞬間に、
- 「成長が止まった気がする」
- 「昇給もポストも頭打ち…」
- 「体力的にこの働き方を続けられるのか」
- 「この先のキャリアに伸びしろがない」
そんな“停滞感・将来不安”が強くなる年代でもあります。
この記事では、40代PTが直面しやすい壁と、
そこから抜け出すための“キャリア再構築の戦略”をまとめました。
40代PTが直面する「6つの壁」
1.昇給の頭打ちと評価の伸び悩み
40代になると給与テーブルがほぼ固定し、
どれだけがんばっても収入が増えにくい現実があります。
評価も「安定している」「ベテラン」と見られる一方で、
若手のように“劇的に伸びた”とは思われにくい状況になりがちです。
2.ポスト不足でキャリアが上に進みにくい
主任・係長・リハビリ科長など、管理職ポストはそもそも数が限られています。
ポストの空きが出るタイミングも読めず、
「実力があっても椅子がない」という構造的な問題を抱えています。
3.成長カーブが緩やかになりマンネリ化
技術も評価も一通り経験しており、
“ゼロからの成長”が少ないのが40代の特徴です。
その結果、臨床にも仕事にも、
- 「慣れているけど、以前ほどの新鮮さや面白みがない」
という感覚が生まれやすくなります。
4.身体的な負担が増える
現場での仕事は、どうしても身体的な負担が大きくなりがちです。
- 送迎
- ベッド⇔車椅子の移乗
- 立ち上がり・歩行介助
- 体位変換
- 拘縮の強い患者さんの対応
若い頃に比べて疲れが取れにくくなり、
「今までのやり方が身体に響く」と感じる人も多くなります。
5.若手との価値観ギャップ
40代になると、次のような場面で価値観のギャップを感じやすくなります。
- 仕事の優先順位のつけ方
- 効率化やワークライフバランスの考え方
- 仕事への温度差・モチベーションの違い
- SNSやオンラインでの情報収集スタイル
「自分の常識が、若手にとっての常識ではない」場面が増え、
コミュニケーションに難しさを感じることもあります。
6.「このまま定年まで働けるのか」という不安
同年代の同僚が転職したり、別の働き方を始めたりすると、
自分の将来についての不安が一気に表に出てきます。
今の職場・今の働き方で、
「本当にこのまま定年まで続けられるのか?」
と自問自答する人は少なくありません。
なぜ40代は不安を感じやすいのか?
経験値は十分、しかし伸びしろが見えにくい
これまでの経験で、多くのケースに対応できるようになっている一方で、
若手の頃のような“目に見える成長”は感じにくくなっていきます。
そのため、実際には成長していても、
本人の体感としては「変化がない」「伸びしろが見えない」と感じやすくなります。
組織の構造上、限界がある
給与テーブルや役職ポストは、個人の努力だけではどうにもならない部分があります。
どれだけ成果を出しても、評価制度や組織の形自体が変わらない限り、
収入や役職が大きく変化しない現実もあります。
家庭の役割が最も重くなる
40代は、仕事以外の責任も増える年代です。
- 子どもの教育費や進学
- 親の体調不良や介護の入り口
- 住宅ローンや家計のプレッシャー
- 自分自身の健康や体力の変化
こうした複数の不安要素が同時にのしかかることで、
将来について考えざるを得ない場面が増えていきます。
40代PTが「キャリア再構築」に向けてやるべき4つの戦略
1.自分の“強み”を棚卸しし、専門性を再構築する
40代は、「専門領域をつくる」ことで一気に価値が高まる年代です。
これまでの経験を振り返り、
- 脳卒中リハビリテーション
- 整形外科(術後・慢性痛など)
- 歩行・バランス特化
- スポーツリハ
- 高齢者の生活期リハ
- 先進デバイス・ロボットリハ
- 外来リハ特化
- 訪問リハ・在宅支援
- 予防介入・地域リハ
- 物理療法や評価専門(歩行分析など)
など、自分が特に関わってきた領域・熱量を持てる領域を洗い出してみてください。
そこから、
- 「自分はどこなら強みを発揮できるのか」
- 「どの分野なら、あと10年・20年続けていきたいと思えるか」
を言葉にしてみることが、キャリア再構築の第一歩になります。
2.働き方を見直し、“身体負担の軽い環境”を選択肢に入れる
40代以降も臨床を続けるためには、
「どこで・どんなペースで働くか」も重要なポイントになります。
例えば、次のような働き方が選択肢として考えられます。
- 外来リハ中心の勤務に切り替える
- 訪問リハで、自分のペースをある程度コントロールする
- 常勤+非常勤の組み合わせで負担を分散する
- リハビリ特化デイや予防系サービスで身体負担を抑える
- 評価・指導メインのポジションにシフトしていく
「臨床を続けたいけれど、今のスタイルは体力的に厳しい」と感じる場合は、
働き方そのものを見直すタイミングかもしれません。
3.副業や複業で“キャリアの柱”を増やす
収入面の不安が強くなりやすい40代では、
本業以外の柱を持つことが、精神的な安心材料になります。
例えば、
- 講座・セミナーの開催
- noteやブログでの情報発信・執筆
- SNSでの専門的な発信
- オンラインでの相談・サポート
- Web制作・デザインなど、医療以外のスキル習得
「本業で大幅な昇給が見込めないのであれば、収入源を複線化する」
これは、これからの時代の現実的な選択肢の一つです。
4.マネジメント・教育を“キャリアとして捉える”
もし管理職や教育係のポジションに興味があるのであれば、
40代はマネジメントスキルや教育力を伸ばすのに適した年代です。
具体的には、
- 若手育成の仕組みづくり
- チーム運営・カンファレンスの質向上
- 院内研修や勉強会の企画・運営
- 評価・フィードバックのフレーム構築
- 多職種連携のハブとして動くこと
といった役割は、職場を変えても活かせる汎用的なスキルです。
「人を育てる」という視点で仕事を捉え直すことで、
自分の価値の出し方も変わってきます。
まとめ:40代は「多角化」が安定につながる
給与は頭打ち、ポストも限られ、体力も徐々に落ちてくる。
それでも、“キャリアの多角化”を行うことで未来は変えられます。
ポイントは次の4つです。
- 自分の強みを棚卸しして、専門性を再構築する
- 身体に合った働き方を選択肢に入れる
- 副業・複業でキャリアの柱を増やす
- マネジメント・教育をキャリアとして捉える
40代は、「経験 × 戦略」で一番伸びしろを出せる年代でもあります。
もし今、
「このままでいいのかな」と感じているなら、
一度立ち止まってキャリアの棚卸しをしてみてください。
その小さな一歩が、数年後の大きな安心と選択肢につながっていきます。


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