「今日は全然書類が終わらなかった…」
「休憩した気がしないまま1日が終わる…」
理学療法士の仕事は、1日のスケジュールを自分でコントロールしにくいですよね。
患者さんの病状、入退院、書類、カンファ、家族対応…
気付けば予定が詰まり、時間に追われがちです。
私自身、回復期病棟、維持期、外来と兼任していた頃は
常に走っている感覚がありました。
余裕がないと、ケアの質も気持ちも落ちてしまう——
そんなことを何度も経験しました。
そこで取り入れたのが、朝と夜のミニルーティン。
完璧ではなくても続けるだけで、心と時間の余白が生まれました。
今回は、私が実際に効果を感じた改善法をお伝えします。
なぜPTは時間に追われるのか?
- 予定の主導権が自分ではなく患者さん側にある
- 書類は「急に増える」
- カンファや家族面談も突発的に入る
- 業務の区切りがつけにくい
忙しさが続くと、
- 注意力低下
- インシデント・ヒヤリハットの増加
- 気持ちに余裕がなくなる
といった悪循環に陥りやすくなります。
時間を作る=エネルギーを整えること
時間術と言うと効率化に偏りがちですが、
「PTに必要なのは、頭と身体が動く状態を維持すること」だと感じています。
臨床は集中力と分析力が命。
エネルギー管理は、患者さんを守り、自分を守る技術でもあります。
忙しいPTでも続けられる、朝と夜のルーティン5選
① 朝:その日の「優先タスクを3つだけ決める
私は付箋に3つだけ書き出しています。
例)
- 新規入院の評価
- カンファでの伝達内容を整理
- 退院準備患者さんの歩行評価
優先タスクを3つに絞ることで、
- 「何のための1日か」がブレない
- リハ計画が目的に沿って進みやすくなる
といったメリットを感じています。
② 朝:3〜5分のストレッチ+深呼吸
出勤前に胸郭と股関節を軽く動かすだけでも違いを感じます。
通勤中に肩回しをすることもあります。
短時間でも、
- 身体のスイッチが入る
- 初回介入から集中しやすい
といった効果があり、
「なんとなく1日が始まってしまう」感じが減りました。
③ 夜:記録は「明日の自分が困らない最小限」
記録を完璧に仕上げようとすると、時間も気力も削られます。
私は次の3点だけは残すようにしています。
- 評価データに抜けがないこと
- 介入内容は要点だけ簡潔にまとめること
- 「次の一手」を必ず書いておくこと(例:次回は階段評価、屋外歩行など)
こうしておくと、
- 翌日のスタートが楽になる
- 臨床推論の連続性が保てる
といったメリットがあり、
「昨日の続き、何をしようとしていたんだっけ?」というモヤモヤが減りました。
④ 夜:寝る30分前はスマホなし
私は、「ベッドにスマホを持ち込まない」と決めています。
ついSNSやニュースを見てしまうと、
頭が休まらず、眠りも浅くなりやすいと感じていたからです。
スマホを置くようにしてから、
- 睡眠の質が改善した
- 翌朝の思考がクリアになった
と感じています。
⑤ 「やらないことリスト」を固定する
忙しいほど、「自分で自分の負担を増やしている」ことがあります。
私が意識している「やらないこと」の一例です。
- 一度で完璧に記録しようとしない
- 残業前提でスケジュールを組まない
- 他人のスピードや成果と自分を比べすぎない
あらかじめ「やらないこと」を決めておくことで、
自分の心と時間の消耗を少し減らせていると感じています。
「できた日」を積み重ねるのが最強
ルーティンは、毎日完璧に続ける必要はありません。
忙しい日が続けば、崩れることも当然あります。
大切なのは、
「できなかった日」ではなく、「できた日」に目を向けること。
1週間のうち数日でも続けられれば、
少しずつ生活と気持ちの土台が整っていきます。
できた日を認識できると、
自己肯定感も高まっていくと感じています。
まとめ:飲み込まれないための“余白”をつくる
理学療法士の忙しさは、完全になくすことはできません。
しかし、
- 朝の準備で1日の土台を整えること
- 夜の整理で次の日の負担を減らすこと
この2つを意識するだけでも、
「仕事に追われる自分」から「仕事をコントロールする自分」へと少しずつシフトしていくことができます。
自分を守る工夫は、患者さんを守る力にもつながります。
明日が少しでも楽になるように、できるところから一緒に積み上げていきましょう。

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