理学療法士として働く中で、「なんのために働いているのかわからない」「患者さんと向き合うのが辛い」と感じた時期がありました。毎日の業務をこなすだけで精一杯で、やりがいを感じられなくなっていました。
これは、燃え尽き症候群(バーンアウト)の典型的な症状です。
この記事では、燃え尽き症候群の原因、予防方法、対処法、モチベーション回復のコツを解説します。
燃え尽き症候群とは
燃え尽き症候群(バーンアウト)は、長期間のストレスや過労によって、心身のエネルギーが枯渇した状態です。
主な症状
- 情緒的消耗感:疲労感が強く、仕事に行くのが辛い
- 脱人格化:患者さんや同僚への関心が薄れ、機械的に対応してしまう
- 個人的達成感の低下:「自分は役に立っていない」と感じる
セルフチェックリスト
以下の項目に当てはまる場合、燃え尽き症候群のリスクがあります。
- 朝、仕事に行くのが憂鬱
- 患者さんと話すのが面倒に感じる
- 仕事へのやりがいを感じられない
- 休んでも疲れが取れない
- 些細なことでイライラする
- プライベートでも楽しめない
3つ以上当てはまる場合は、注意が必要です。
燃え尽き症候群の原因
業務量の多さ
担当患者数が多すぎる、カルテ業務に時間がかかる、残業が常態化しているなど、業務量が過多になると、心身の疲労が蓄積します。
私が燃え尽きそうになったときは、1日22単位の患者対応に加えて、カンファレンスや書類業務が重なり、休憩時間もほとんど取れない状況でした。
人間関係のストレス
職場の人間関係がうまくいかないと、大きなストレスになります。上司との関係、同僚との連携不足、患者さんやその家族とのコミュニケーションの難しさなどが原因となります。
やりがいの喪失
毎日同じ業務の繰り返しで、成長を感じられない、患者さんの回復が見られない、評価されないなどの理由で、やりがいを失うことがあります。
ワークライフバランスの崩れ
仕事とプライベートの境界が曖昧になり、休日も仕事のことを考えてしまう、趣味や家族との時間が取れないなど、バランスが崩れると燃え尽きやすくなります。
燃え尽き症候群の予防方法
仕事とプライベートを明確に区別する
仕事が終わったら、仕事のことは考えない時間を作ります。休日はしっかり休み、趣味や家族との時間を大切にします。
私は、仕事が終わったら職場からの連絡通知をオフにすることで、仕事の連絡を気にしない時間を確保できるようになりました。
適度な目標設定
大きすぎる目標ではなく、小さな達成可能な目標を設定します。「今週は歩行練習で3m歩けるようにする」「カルテを定時内に終わらせる」など、具体的で達成しやすい目標を立てます。
相談できる人を作る
職場の同僚や先輩、友人など、相談できる相手を作ります。悩みを一人で抱え込まず、話すことで気持ちが楽になります。
休息をしっかり取る
睡眠時間を確保し、休日は無理に予定を詰め込まず、体と心を休めます。疲れを感じたら、無理せず休むことが重要です。
燃え尽き症候群の対処法
休息を最優先にする
燃え尽き症候群になってしまった場合、まずは休息を最優先にします。有給休暇を使って連休を取る、思い切って長期休暇を取るなど、仕事から離れる時間を作ります。
信頼できる人に相談する
上司や産業医、カウンセラーなど、信頼できる人に相談します。一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けることが大切です。
環境を変える
職場環境が原因の場合、部署異動や転職を検討することも選択肢の一つです。環境を変えることで、心機一転できることがあります。
私が燃え尽きそうになったとき、上司に相談して業務を整理させてもらいました。優先順位をつけて不要な業務を削減し、リハビリ業務に集中できる環境を作ることで、徐々にやりがいを取り戻すことができました。
専門家の支援を受ける
症状が深刻な場合は、心療内科やカウンセリングを受けることをおすすめします。専門家のサポートを受けることで、回復が早まります。
モチベーション回復のコツ
小さな成功体験を積む
大きな目標ではなく、小さな成功体験を積み重ねます。「今日は患者さんが笑顔になった」「カルテを時間内に終えた」など、日々の小さな達成感を大切にします。
新しい学びを取り入れる
勉強会やセミナーに参加する、新しい評価方法を学ぶなど、学び直すことで新鮮な気持ちを取り戻せます。
私は、興味のあった歩行分析の勉強会に参加したことで、臨床への興味が再燃しました。
患者さんとの関わり方を見直す
患者さん一人ひとりとの関わりを大切にし、小さな変化や成長に目を向けます。機械的な対応ではなく、丁寧にコミュニケーションを取ることで、やりがいを感じやすくなります。
趣味や運動でリフレッシュする
仕事以外の時間を充実させることも重要です。趣味や運動、友人との時間など、楽しいと思える活動を取り入れます。
まとめ
燃え尽き症候群は、誰にでも起こりうる状態です。業務量の多さ、人間関係のストレス、やりがいの喪失などが原因で、心身のエネルギーが枯渇します。
予防には、仕事とプライベートの区別、適度な目標設定、休息が重要です。
もし燃え尽きてしまった場合は、休息を優先し、信頼できる人に相談し、必要であれば環境を変えることも検討してください。
無理をせず、自分のペースで働くことが、長く理学療法士として活躍するための鍵です。

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