忙しすぎる理学療法士が増えている理由
近年、理学療法士の業務量は年々増加しています。患者対応に加え、書類作成やカンファレンス、加算関連の書類整理など、「目の前の仕事をこなすだけで1日が終わる」という人も多いのではないでしょうか。
真面目で責任感が強い理学療法士ほど、「患者さんのために」と頑張りすぎてしまい、気づけば疲労やストレスが蓄積していることもあります。
しかし、忙しさの原因は「スキル不足」ではなく、環境や考え方のバランスが崩れていることが多いのです。ここでは、理学療法士が仕事とプライベートのバランスを取り戻すために見直したい5つのポイントを紹介します。
見直したい5つのポイント
- タスク管理を“優先順位”で整理する
- 書類業務をパターン化・テンプレ化する
- 他職種との連携で時間を生み出す
- 休憩・オフの時間を意識的に確保する
- 「完璧主義」を手放し、7割で回す発想に切り替える
タスク管理を“優先順位”で整理する
理学療法士の仕事は、患者対応から書類業務まで多岐にわたります。すべてを同じ優先度で処理しようとすると、どこかでパンクしてしまいます。
- 1日の業務を「重要度 × 緊急度」で仕分けする
- 午前は評価・リハなど集中タスク、午後は記録・整理など軽作業に分ける
- やることリストだけでなく、優先度の低い作業を列挙したやらないリストを作る
- 書類入力や報告書作成は週内で時間をブロック化して負担を平準化
書類業務をパターン化・テンプレ化する
書類業務は「時間がかかるけれど避けられない仕事」の代表です。毎回一から文章を考えるのではなく、定型文やテンプレートを作っておくことで大幅に効率化できます。
- 報告書・リハ計画書は共通文言+個別加筆で作成
- WordやGoogleドキュメントのテンプレ機能をチームで共有
- 「考える時間」を減らし、「書く時間」を短縮して1日15〜30分の時短を目指す
他職種との連携で時間を生み出す
理学療法士が“忙しすぎる”と感じる原因の一つに、「自分だけで抱え込みすぎている」ことがあります。患者情報やリハ方針を共有する場が少ないと、同じ説明や記録が何度も必要になり、時間を奪われてしまいます。
- 多職種連携の仕組み化(定例カンファレンス、申し送りの統一、電子カルテでのテンプレ共有)
- 説明の重複を減らし、チーム全体で患者をみる意識へ転換
- 情報の見える化で精神的負担も軽減
休憩・オフの時間を意識的に確保する
「休む時間がもったいない」と感じる真面目な人ほど、無意識に自分を追い込んでしまいがちです。しかし、リハビリは体力・集中力・共感力が求められる仕事。休憩やリフレッシュを削ると、結果的にパフォーマンスが落ち、ミスのリスクも高まります。
- 昼休みにPCを開かない、仕事の話をしない時間をルール化
- 趣味・家族の予定を先にカレンダーへ入れ、オン・オフを切り替える
- “休むことも仕事の一部”と位置づけて罪悪感を手放す
「完璧主義」を手放し、7割で回す発想に切り替える
理学療法士は責任感が強く「完璧にこなさなければ」と思いやすい職種です。しかし、すべてを100%で続けることは不可能。完璧を目指すほど自分を追い詰め、燃え尽きのリスクが高まります。
- 業務の質を落とすのではなく、やるべきこと/やらなくていいことを切り分ける
- “7割で回す”基準をチームで共有し、期待値をそろえる
- 仕組み化・委任・後回し(延期)の3手で負荷分散
まとめ:余裕は“時間”ではなく“考え方”から生まれる
忙しさの根本原因は、「抱えすぎ」よりも「手放せない」ことにある場合が多いです。タスクを整理し、完璧主義を少し緩めるだけで、心にも時間にも余裕が生まれます。理学療法士が自分自身のコンディションを整えることは、最終的に患者さんへのケアの質を高めることにもつながります。
要点まとめ
- 忙しさはスキルではなく、考え方と環境の問題
- タスクは優先順位で整理し、やらないことを決める
- 書類業務はテンプレ化で時短し、質を均一化
- 多職種連携を仕組み化して重複業務を削減
- 休憩・オフを予定化し、回復力を高める
- 完璧主義を緩め“7割で回す”発想へ


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