患者さんとの信頼関係に悩むとき、どう向き合う?
「患者さんとの距離感がつかめない」「うまく関係を築けない」と感じたことはありませんか。理学療法士として経験を重ねても、関係づくりに悩む瞬間は誰にでもあります。
信頼関係は一朝一夕では生まれませんが、日々の小さな会話や行動の積み重ねで確実に深めることができます。
この記事では、理学療法士が患者さんと信頼関係を築くための会話と行動のコツを、臨床で実践しやすい形で整理します。
まずは「聴く姿勢」から──相手のペースを尊重する
信頼関係の第一歩は“聴くこと”。評価のための質問を急ぐ前に、いったん受け止める意識を持ちましょう。短い復唱(リフレクション)や相槌は、安心感を生みます。
- 話を遮らず、沈黙も相手のペースとして尊重する
- 「◯◯がつらいのですね」のように言葉を返して確認する
- 評価のための質問 → 理解のための会話へ
例)「今日は少し疲れやすかったですか? それでも昨日より立ち上がりはスムーズでしたね」
「できたこと」を具体的に伝える──小さな成功を積み上げる
改善点だけを伝えると、患者さんは自己効力感を失いやすくなります。先に“できたこと”を具体的に伝えることで、前向きな関係が育ちます。
- 「前回より歩隔が安定しています」「立ち上がりの初動が速くなりました」
- 提案は褒め→課題→次の一歩の順で伝える
- 評価指標の変化は、期間(例:1か月)とセットで共有する
「治療以外の会話」が距離を縮める──生活文脈を共有する
季節や生活、趣味の話題は、相手が「自分に関心を持ってくれている」と感じるきっかけになります。無理に話題を作る必要はありません。表情や反応に合わせて短く自然に。
例)「今日は冷えますね。通院の道中は大丈夫でしたか?」
言葉と行動の一貫性──小さな誠実さが信頼の土台になる
約束や時間、説明の一貫性は、治療技術と同じくらい信頼に影響します。
- 伝えたプラン(頻度・内容)を守る/変更時は理由を共有
- 再現性のある指導(メモや配布資料、動画など)を残す
- 評価の数字だけでなく「どう良くなったか」を言語化して届ける
職場での信頼を得る行動設計については、以下の記事でより詳しく整理しています。
👉 理学療法士が職場で評価されないと感じたときに見直すべき3つの視点|信頼を得るための行動とは
関係は“築く”より“育てる”──焦らず、重ねる
1回のリハビリで信頼を獲得しようとすると、関わりが急ぎ足になりがちです。小さな誠実さの積み重ねが、最終的に「この人なら任せられる」という感覚につながります。うまくいかない日ほど、丁寧さを一つ増やす──それが関係を育てる近道です。
まとめ:特別なテクニックより「姿勢」と「一貫性」
- まずは“理解するために聴く”姿勢を持つ
- 「できたこと」を具体的に伝え、自己効力感を高める
- 生活文脈の短い会話で、安心と関心を伝える
- 言葉と行動の一貫性が、信頼の土台をつくる
焦らず、丁寧に、目の前の患者さんに向き合う。
その姿勢こそが、信頼される理学療法士への一歩になります。


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