転職活動で履歴書を書くとき、「自己PRに何を書けばいいかわからない」と感じたことはありませんか?
私自身、これまで何度か転職を経験してきましたが、最初の頃は自己PRの欄を前に手が止まることがよくありました。臨床での経験はそれなりにあるのに、いざ言葉にしようとすると何から書けばいいのか迷ってしまう。そんな状況に直面した方も多いのではないでしょうか。
自己PRは、職務経歴書と違って「自分の強みを端的に伝える場」です。ただ、多くの理学療法士が書く自己PRは似たような表現になりがちで、採用担当の印象に残りにくいのも事実です。
本記事では、理学療法士の履歴書における自己PRで「差がつく5つの切り口」と、通過率を上げるための具体的な書き方を紹介します。現場での経験をどう言語化すればよいのか、実例を交えながら整理していきます。
履歴書の書き方全体については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
理学療法士の自己PRで「差がつかない」よくあるパターン
まず、多くの理学療法士が書いてしまいがちな自己PRのパターンを見てみましょう。
抽象的な表現だけになっている
「患者さんに寄り添った対応を心がけています」「チーム医療に貢献できます」といった表現は、確かに大切なことですが、具体性に欠けるため印象に残りにくい傾向があります。
採用担当は、何十枚もの履歴書を見ています。抽象的な表現だけでは、他の応募者との違いが伝わりません。
職務経歴書との違いが出せていない
自己PRと職務経歴書は、役割が異なります。職務経歴書は「何をしてきたか」を時系列で整理するものですが、自己PRは「自分の強みは何で、それをどう活かせるか」を端的に伝える場です。
ところが、自己PRの欄に経歴を羅列してしまうケースが意外と多く見られます。これでは職務経歴書と内容が重複してしまい、もったいない使い方になってしまいます。
職務経歴書と自己PRの役割の違いについては、こちらで整理しています。
強みの裏付けが弱い
「コミュニケーション能力があります」と書くだけでは、説得力が不足します。その強みがどんな場面で発揮されたのか、具体的なエピソードがないと、採用担当には伝わりにくいのです。
私の臨床経験からも、「この人は何が得意なのか」が明確に伝わる自己PRほど、面接でも話が広がりやすいと感じています。
自己PRは「何を書くか」より「どの視点で切り取るか」
自己PRで重要なのは、「何を書くか」以上に「どの視点で自分の経験を切り取るか」です。
同じ臨床経験でも、切り口を変えるだけで印象は大きく変わります。たとえば、回復期で3年働いた経験があるとして、それを「患者さんとの関係構築」の視点で書くのか、「多職種連携」の視点で書くのか、「評価・分析」の視点で書くのかによって、伝わる強みはまったく異なります。
採用担当が見ているのは「再現性」
採用担当が自己PRで確認したいのは、「この人は、うちの職場でも同じように力を発揮してくれそうか」という再現性です。
過去の実績だけを並べるのではなく、「その経験が応募先でどう活かせるか」まで書けると、採用側の印象に残りやすくなります。
理学療法士の自己PR 5つの切り口と実例
ここからは、理学療法士の自己PRで使える5つの切り口を、具体例とともに紹介します。
① 対象者との関係構築力
患者さんや利用者さんとの関係を築く力は、理学療法士にとって重要なスキルです。特に、リハビリに消極的だった方や、コミュニケーションが難しい方との関わりで工夫した経験があれば、それは強みとして伝えられます。
NG例
「患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。」
OK例
「回復期病棟での勤務では、リハビリに消極的だった脳卒中後の患者さんに対して、日常生活動作の中でできることを一緒に確認しながら進めることで、意欲の向上につなげた経験があります。信頼関係を築きながら目標を共有することを大切にしており、貴院でもこの姿勢を活かしたいと考えています。」
このように、具体的な場面とそこでの工夫を書くことで、再現性が伝わりやすくなります。
② 多職種連携・チーム貢献
医療・介護の現場では、多職種との連携が欠かせません。カンファレンスでの情報共有や、他職種との調整をスムーズに行える力は、どの職場でも求められます。
NG例
「チーム医療に貢献できます。」
OK例
「療養病棟での勤務では、看護師や介護士と連携し、離床時のポジショニングや移乗方法を現場で共有することで、患者さんの安全性と日常ケアの質向上に貢献してきました。多職種との情報共有を丁寧に行い、チーム全体でケアの方向性を揃えることを意識しています。」
多職種連携では、「誰と、何を、どう共有したか」まで書けると、具体性が増します。
③ 評価・分析力
理学療法士としての評価力や、問題点を整理する力は専門性の核となる部分です。特に、複雑な症例や、評価が難しいケースでの対応経験は強みとして伝えられます。
NG例
「評価をしっかり行い、適切なプログラムを立案できます。」
OK例
「回復期での勤務では、脳卒中片麻痺患者さんに対して、歩行時のバランス低下の要因を姿勢制御と筋緊張のバランスから分析し、個別プログラムを立案してきました。評価結果をもとに多職種へ根拠を伝えることで、リハビリ方針の共有がスムーズになった経験があります。」
評価力は抽象的になりがちですが、「何を分析し、どう活かしたか」を書くことで説得力が増します。
④ 学習意欲・自己研鑽
臨床で学び続ける姿勢は、どの職場でも評価されます。特に、資格取得や勉強会参加、文献を読む習慣など、具体的な行動を示すと効果的です。
NG例
「常に学び続ける姿勢を持っています。」
OK例
「臨床での疑問を文献で確認する習慣を持ち、呼吸リハビリテーションや心不全患者さんへの運動療法について継続的に学んできました。貴院でも新しい知識を吸収しながら、臨床に還元していきたいと考えています。」
学習意欲は、「何を学んできたか」を具体的に示すことで、本気度が伝わります。
⑤ 業務改善・効率化への視点
業務の流れを見直したり、書類作業を効率化したりする視点は、現場で重宝されるスキルです。特に、忙しい職場では、この視点を持っている人材は貴重です。
NG例
「効率的に業務を進められます。」
OK例
「訪問リハビリでの勤務では、記録業務の負担を減らすため、テンプレートを見直して入力時間を短縮した経験があります。限られた時間の中で質の高いリハビリを提供するために、業務の工夫を続けてきました。」
業務改善の視点は、即戦力としての印象を強めます。
自己PRを書く前に整理しておくべき3つの質問
自己PRを書く前に、以下の3つを整理しておくと、文章がまとまりやすくなります。
1. 自分の強みは何か?
まず、自分の強みを言語化してみましょう。「患者さんとの関係構築が得意」「評価を丁寧に行える」「多職種との調整が得意」など、1つか2つに絞ると書きやすくなります。
2. どんな場面で発揮されたか?
強みが発揮された具体的な場面を思い出してみましょう。「○○病棟で△△の患者さんに対して〜」というように、具体的なエピソードがあると説得力が増します。
3. それをその職場でどう活かせるか?
最後に、その強みを応募先でどう活かせるかまで書けると、採用担当に「この人はうちの職場でも活躍してくれそうだ」と思ってもらいやすくなります。
よくある質問と注意点
Q. 自己PRと志望動機の違いは?
自己PRは「自分の強み」を伝える場、志望動機は「なぜその職場を選んだのか」を伝える場です。役割が異なるため、内容を分けて書くことが大切です。
Q. 経験が浅い場合はどう書く?
経験が浅い場合は、学生時代の実習での学びや、現職で意識していることを書くとよいでしょう。「まだ経験は浅いですが、○○を意識して取り組んでいます」という姿勢を示すことで、前向きな印象を与えられます。
Q. 文字数はどれくらい?
履歴書の自己PR欄は、200〜300字程度が一般的です。長すぎると読みづらくなるため、要点を絞って簡潔にまとめることを意識しましょう。
応募書類でやりがちなNG例は、こちらの記事でまとめています。
自己PRを作成したら転職サイトで添削してもらうのもおすすめ
自己PRを作成したら、転職サイトのキャリアアドバイザーに添削してもらうのもおすすめです。特にレバウェルリハビリでは、履歴書・職務経歴書の添削サポートが充実しており、書類通過率を上げるためのアドバイスを受けられます。
レバウェルリハビリ(旧:レバウェルリハ)
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まとめ
自己PRは、自分の強みを採用側に届けるための重要な手段です。同じ経験でも、切り口を変えるだけで伝わり方は大きく変わります。
今回紹介した5つの切り口を参考に、自分の経験をどの視点で伝えるかを考えてみてください。応募する職場に合わせて調整することで、通過率を上げることができます。


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