立位バランスをどう評価したらいいか悩むことはありませんか?
「重心がどこにあるのかうまく読めない…」
「COP評価って難しいし、測定機器もない…」
そんなふうに感じている理学療法士の方は多いと思います。
確かに、COP(Center of Pressure)や重心動揺分析は専門的で、測定装置も必要になります。
ですが、臨床で本当に必要なのは“感覚的に重心のズレを見抜く力”です。
この記事では、機器がなくてもできる、立位バランス評価の基本となる
「重心のズレ」を見抜く3つの視点をわかりやすく解説します。
重心のズレを見抜く3つの視点
- 荷重バランス(左右・前後)の偏りを見る
- 重心線と姿勢のズレを見る
- 揺れの方向・大きさから弱点を読む
この3つを押さえるだけで、立位バランス評価の質が一気に上がります。
1. 荷重バランスの偏りを見る
最も基本で重要なのが「どこに体重が乗っているか」です。
左右差や前後の偏りは、体の使い方や痛み、筋力の弱さをそのまま反映します。
- 左右差がある場合
・痛み側を避けている
・立脚側の支持性が低い
・体幹側方コントロールが弱い - 前後方向の偏り
・体幹の伸展/屈曲のクセ
・足関節戦略の偏り
・転倒リスクの高い姿勢パターン
荷重バランスは立位を見た瞬間に判断できるため、臨床で最も使いやすい視点です。
2. 重心線と姿勢のズレを見る
次に、「姿勢」と「重心」の関係を読み取ります。
- 頭部がどの位置にあるか
- 骨盤の傾き(前傾・後傾・側方)
- 足部のどこに体重が残っているか
これらのズレは、そのままバランス能力を低下させます。
例:
- 頭部前方位 → 後方反応が遅れ転倒リスク
- 骨盤後傾 → 下肢伸展戦略が使いにくい
- 足趾の離床 → 前後方向の制御が弱い
「どの姿勢パターンが不安定を生むか」まで読み取るのがポイントです。
3. 揺れの方向と大きさから弱点を読む
揺れのパターンは、本人が“支えづらい方向”を教えてくれます。
- 片側に揺れが逃げる → 支持性の弱い側がある
- 後方に揺れが多い → 体幹伸展優位で前方反応が弱い
- 小刻みな揺れが増える → 感覚入力の不安定さ
特に最初の1〜2秒の揺れは、姿勢制御のクセが最もよく出る部分です。
機器がなくてもできる立位バランス評価の工夫
- 支持基底面を変える(閉脚・ロムベルグ・タンデム)
→ 荷重の偏りが明確になる - 視覚条件を変える(開眼/閉眼)
→ 視覚依存の有無がわかる - 軽いタッチングでの反応を見る
→ 正常な姿勢調整が出ているか確認できる - 動作前後の姿勢を観察する
→ 動作戦略のクセを読みやすい
COPがなくても、重心制御の特徴は十分に読み取れます。
明日から使える“重心の視診”の流れ
- 静止立位の荷重バランスを見る
- 重心線(頭部・体幹・骨盤・下肢)を読む
- 揺れの方向と大きさを観察する
- 支持基底面・視覚条件を変えて再確認
- 歩行・立ち上がり・方向転換と比較する
まとめ
COPのような専門的測定装置がなくても、
荷重・姿勢・揺れという3つの視点があれば、立位バランスの本質は十分に評価できます。
重心のズレを読む力は、経験を積むほど磨かれていきます。
明日からの臨床で、ぜひ活かしてみてください。


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