理学療法士がチームワークの良い職場を見極める方法｜人間関係で失敗しない転職のコツ

はじめに：チームワークが良い職場は働きやすさの土台

理学療法士として働く中で、「人間関係がつらい」「チームの雰囲気が悪い」と感じたことはありませんか？どれだけスキルが高くても、連携が取れない職場では力を発揮できません。一方で、チームワークの良い職場では、情報共有やフォロー体制が整い、結果的に患者満足度も高まります。

この記事では、理学療法士がチームワークの良い職場を見極めるための実践的なポイントを紹介します。転職だけでなく、副業や異動を考える際にも参考になる内容です。

チームワークが良い職場とは、単に仲が良いだけでなく、共通の目標に向かって協働できる環境が整っている職場を指します。理学療法士は医師や看護師、介護職、栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種と関わるため、連携力こそが仕事の質を左右します。

まずは、チームワークの良し悪しを見抜くために注目したいポイントを整理しましょう。

見学時に最もわかりやすいのが、カンファレンスの空気感です。誰か一人が話し続けていないか、他の職員が発言しにくい雰囲気になっていないかを観察してみましょう。発言の機会が平等にあり、意見に対して否定ではなく「なるほど」「それもありですね」といった反応が返る場は、信頼関係が築かれています。

ただし、施設によってはカンファレンスの見学ができない場合もあります。その際は、職員同士の会話の様子や情報共有の仕方などから、職場の雰囲気を感じ取ってみてください。

情報共有の方法は職場ごとに異なります。紙やホワイトボードだけに頼っている場合、伝達ミスが起きやすく、現場の混乱を招くことも。一方で、ICTやチャットツールを活用し、看護・介護・リハ職がリアルタイムで情報を共有している職場は、チームとしての機能が高い傾向にあります。

また、看護師や介護士との何気ない会話の中で「○○さんの歩行練習、今日は安定してましたね」など、お互いの領域に関心を持っているかも重要なサインです。

良いチームは、トップが一方的に命令するのではなく、メンバーの意見を尊重して引き出す姿勢を持っています。リーダーが「助かった」「ありがとう」といった言葉を自然に使っているかどうかで、その職場の文化が見えてきます。

逆に、責任を個人に押し付けるような発言が多い職場では、協力体制が崩れやすい傾向があります。チーム全体を“まとめようとする姿勢”があるかを観察してみましょう。

教育体制が整っている職場ほど、チームワークも良好です。新人を放置せず、チーム全体でサポートする文化があるかどうかを見極めましょう。

といった姿勢が見える職場は、定着率も高い傾向があります。

リハ職だけでなく、介護職や看護職との協働も大切です。「歩行練習の時間を合わせましょう」「移乗介助の仕方を共有します」など、お互いの業務に配慮した連携がある職場はチームとして成熟しています。

また、リハ職が孤立していないか、他職種との距離感が近いかもチェックポイントです。スタッフ同士が笑顔で会話しているかどうかは、チームワークの“リアルな指標”です。

チームを支えるのはマニュアルではなく、人の意識です。制度が整っていても、関係性がギクシャクしていれば機能しません。反対に、少人数でも「助け合い」「感謝」が自然に生まれる職場は、安定したチーム力を発揮します。

転職前の見学では、職員の表情や話すトーンに注目してみましょう。「お疲れさま」「ありがとう」が飛び交う職場は、信頼関係が根づいています。

私は副業として、週1回、別の施設でリハビリ業務を行っていました。その職場では、朝のカンファレンスで患者さんの進捗を全員が共有し、午後には介護職や看護師と情報を整理して動線を調整。そのスピードと連携の柔軟さに驚きました。

また、意見の食い違いがあっても「患者さんにとってベストは何か」を基準に話し合う文化があり、肩書よりもチーム全体で支える意識が強い職場でした。

この経験から、チームワークの良さは制度ではなく、「相手を尊重する文化」があるかどうかで決まると実感しました。今の職場が合わないと感じたら、視野を広げて他の現場を見てみるのも一つの方法です。

チームワークの良い職場は、雰囲気にあらわれます。見学時に「ここなら安心して働けそう」と感じた職場は、実際に定着率も高いことが多いです。

給与や待遇も大切ですが、人間関係の質こそが長く働ける最大の条件です。信頼できる仲間と協力し合える環境で、自分らしい理学療法士キャリアを築いていきましょう。