患者数の多さが負担になるとき
理学療法士として働いていると、「今日は患者数が多すぎる」と感じる日が少なくありません。忙しい職場では一日に15人以上を担当することもあり、時間や体力のやりくりが難しくなります。私もそうした状況を経験しましたが、工夫をしないと集中力が切れ、パフォーマンスが落ちてしまうと痛感しました。
こうした状況を放置すると、疲労や燃え尽きにつながり、結果的に患者さんにとっても良いリハビリが提供できなくなります。そこで、負担を軽減しながら質を維持するための工夫を紹介します。
負担を減らすための5つの工夫
- 記録を分割して効率化する
- 時間内で優先順位を明確にする
- 物品や環境を整えて無駄を減らす
- 業務分担の仕方を工夫する
- 自分の体力・集中力を守るセルフマネジメント
1. 記録を分割して効率化する
患者対応が終わった直後に要点だけメモしておき、あとでまとめると効率的です。私も新人時代は夕方にまとめて書いていましたが、朝の患者さんの内容を思い出すのに時間がかかり、余計に負担になっていました。直後に数行でもメモを残すようにしてから、記録にかかる時間が大幅に減りました。
2. 時間内で優先順位を明確にする
関われる時間や単位数には限りがあります。特に維持期リハビリでは短時間の中で何をやるかを取捨選択しなければなりません。私の場合は「安全」「機能維持」「ADLに直結する動作」の3つを基準にしています。
たとえば、歩行に不安がある患者さんには立ち上がりと歩行を重点的に行い、急ぎでない要素は自主トレーニングに回します。さらに、自分で実施できない患者さんに対しては、ベッドサイドでやるべき運動を優先順位をつけて行うようにしています。
3. 物品や環境を整えて無駄を減らす
治療器具や評価表の場所がバラバラだと、それを探すだけで時間を消耗します。私はカートに必要物品をまとめてセットするようにしました。すると移動や探す手間が減り、1日で10〜15分は節約できる感覚があります。小さな工夫ですが積み重ねると大きな違いになります。
4. 業務分担の仕方を工夫する
スタッフ同士で「誰がどの記録や準備を担当するか」を調整するだけでも負担は軽くなります。たとえばカンファレンス資料の準備を分担する、備品補充の役割を週ごとに割り振る、といった工夫が有効です。
5. 自分の体力・集中力を守るセルフマネジメント
患者数が多い日はつい休憩を削りがちですが、逆に効率が落ちます。私は移動や患者さんの部屋に入る前に、少し深呼吸をしたり軽くストレッチをするようにしています。それだけで気持ちを切り替えられ、集中力を保ったまま次のリハビリに臨むことができます。
まとめ
患者数が多い状況は理学療法士にとって避けられない課題ですが、記録方法や時間の使い方、業務分担など、小さな工夫で負担を軽減することが可能です。
私自身もこれらを実践する中で、「忙しすぎて疲弊する日」が減り、より質の高いリハビリを提供できるようになりました。
無理をし続けるのではなく、効率化とセルフケアを取り入れて、自分と患者さん双方にとって最適な働き方を見つけていきましょう。
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