転職を考え始めた理学療法士が最初につまずきやすいのが「履歴書・職務経歴書」です。応募しても書類審査で落ちてしまうケースの多くは、スキルや経験というよりも「伝え方」に課題がある場合がほとんどです。
この記事では、理学療法士として採用にも関わる私自身の経験から、履歴書・職務経歴書のコツや面接で評価されるポイントをお伝えします。
1. 履歴書で見られているポイントと書き方の基本
- 誤字脱字がないか:見直しをする習慣があるかが分かります。
- 字が丁寧かどうか:上手・下手ではなく、丁寧に書かれているかで人柄が伝わります。
- 写真・日付・印鑑などの基本的マナー
- 志望動機や自己PRが空欄でないか:熱意が伝わらないと、書類通過は難しくなります。
志望動機の例文(急性期病院を希望する場合)
現在の職場では主に回復期リハに関わってきましたが、より急性期の現場で臨床力を高めたいという思いから、貴院を志望しました。これまでに培った基本的な技術や観察力を活かしながら、救急対応や多職種連携にも積極的に関わり、チームの一員として貢献したいと考えています。
2. 職務経歴書のポイント|実績や姿勢を伝える
- これまでの勤務先と在籍期間
- 主な担当業務(急性期/回復期/在宅など)
- 関わった主な疾患や症例(脳血管/運動器など)
- 自主的に取り組んだこと(後輩指導、学会発表、勉強会など)
年間100名以上の変形性膝関節症や脊椎疾患などの運動器疾患患者を担当し、術後リハビリから退院前指導まで一貫して関わってきました。
「何をしたか」だけでなく、「どう取り組んだか」や「成果」を具体的に伝えることが大切です。
3. 書類や面接で見えてくる“印象の差”とは?
不採用につながった例
- 希望が限定的すぎた:「回復期しか希望しません」と言われたが、実際には療養や訪問リハとのローテーションもあるため、柔軟性がないと判断されました。
- 必要書類が期限までに用意できなかった:提出が間に合わない理由が曖昧で、自分都合を押し通すような対応に不安を感じました。
- 履歴書が明らかに他院の使い回し:志望動機に当院の内容がまったく書かれていませんでした。
- 過去のトラブルの語り方に配慮がなかった:もちろん、相手に非がある場合もありますが、自分に非がある可能性をまったく考えずに語っていたため、人間関係への配慮ができるかどうかに不安を感じました。
採用につながった例
- 履歴書の字が丁寧で、話し方もやわらかい:患者さんにも安心感を与えられそうという印象に。
- 自分の考えを持ちながら、謙虚で柔軟:「希望はありますが、まずは与えられた環境でしっかり学びたい」といった姿勢が好印象でした。
判断に迷ったケースと“その改善点”
内容は問題なく、経験も十分。それなのに「この人と一緒に働くイメージが湧かない」と感じたこともあります。
そうした違和感の多くは、「受け答えがどこか他人事」だったり、「表情や話し方が淡々としすぎていた」といった、“伝え方”に起因しています。
逆に言えば、「伝える」だけでなく「どう伝わるか」を意識できる人は、それだけで印象が大きく変わります。
4. 書類で差をつける“ひと工夫”
- 数字や成果を入れる(例:1日◯名/在宅復帰率に貢献 など)
- 余白や行間などの見やすさに配慮する
- パソコンで作成する場合は、フォントや項目の揃え方にも注意すると印象が良くなります(例:ゴシック体、11pt前後、見出しは太字 など)
まとめ|“伝わる工夫”でチャンスを広げよう
転職活動では、経験やスキルだけでなく「どう伝えるか」が大きな鍵になります。
履歴書や職務経歴書、そして面接の受け答えを通して、「この人と働きたい」と思ってもらえるように。
丁寧に、正直に、そして前向きに。あなたらしさが伝わる転職活動を応援しています。
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