理学療法士として転職活動を始めるとき、最初に目にされるのは履歴書です。採用担当者が確認する時間はわずか数分。その短い時間で「誠実さ」「丁寧さ」「自分の強み」が伝わらなければ、面接に進むことはできません。実際に人事担当者からは「誤字や志望動機の曖昧さがあると面接に呼ぶ気になれない」という声も聞かれます。履歴書は“転職のスタートラインに立つための通行証”です。
履歴書チェックリスト
- 最新のフォーマットを使用しているか
- 誤字・脱字や日付の不整合がないか
- 写真は清潔感があり、背景が無地か
- 氏名・住所・連絡先を正式に記載しているか
- 免許・資格欄に「理学療法士免許」を正式名称で記載しているか
- 職歴は勤務先名・所属部署・期間が明確か
- 志望動機は施設の特色と自分の強みを結びつけているか
- 趣味・特技や自己PRは空欄にせず、簡潔にアピールできているか
各ポイントの解説
最新のフォーマットを使用
履歴書は書式ひとつで印象が変わります。古い様式やレイアウトの崩れたものは避けましょう。PC入力で整えるのが無難ですが、手書きでも丁寧に記入されている履歴書は良い印象を与えます。文字の大きさや行間を揃え、修正液や訂正印は使わないのが基本です。和暦・西暦は必ずどちらかに統一します。
誤字・脱字や日付の不整合
誤字脱字や日付の不一致は「記録の正確性」に疑念を持たれます。臨床ではカルテ記録やカンファレンスでの情報共有が必須であるため、細かな間違いがそのまま信頼性に直結します。作成後は声に出して読み返す、第三者に確認してもらう、といった二重チェックを徹底しましょう。
写真の清潔感
写真は第一印象に直結します。背景は白や青の無地、服装はスーツ、髪型も整えて撮影するのが基本。ある採用担当者は「証明写真の段階で清潔感が伝わらないと不安を感じる」と話しています。自撮りやスナップ写真は避けましょう。
氏名・住所・連絡先の記載
住所は省略せず正式表記で。メールアドレスはビジネス向けのシンプルなものを使用します。電話番号は必ずつながる番号を記載し、電話応対そのものが見られている前提で、丁寧な言葉遣い・落ち着いた受け答えを心がけましょう。
免許・資格欄の正式記載
「理学療法士」だけではなく、「理学療法士免許」と正式名称で記載します。取得年月を明記し、「PT免許」といった略称は避けます。国家資格としての信頼性を正しく伝える記載が大切です。
職歴の記載
勤務先は法人名から正式名称で記載し、所属部署・勤務期間を明確にします。さらに、担当していた領域や対象患者層(例:回復期病棟/外来リハ/訪問リハ、脳血管・整形・内部障害など)を具体的に書くと、経験の幅と強みが採用側に伝わりやすくなります。単に「病棟担当」だけだと情報が不足します。
志望動機の書き方
志望動機は「なぜこの施設なのか」と「どのように貢献できるのか」を明確に。施設の特色(回復期に強い、訪問に注力、小児に特化など)と自分の経験・強みを結びつけることで説得力が増します。例:「回復期病棟で脳卒中患者を担当した経験を活かし、在宅復帰支援に貢献したい」など。
趣味・特技や自己PR
空欄は避け、理学療法士としての資質に通じる内容を簡潔に。体調管理や継続力、学習意欲、情報発信の習慣などに触れると評価されやすいです。例:「週3回のランニングを継続し体調管理に努めている」「学会発表を通じて得た知見を臨床へ還元している」。
まとめ
- 丁寧で統一感のある書式(手書きの場合も整っていれば好印象)
- 誤字脱字ゼロ・日付整合・正式名称での記載
- 担当領域・対象患者層まで具体的に示す職歴
- 施設の特色と自身の強みを結びつけた志望動機
- 電話応対を含む基本的なビジネスマナーの徹底
これらを押さえるだけで、履歴書の印象は大きく変わり、面接へ進む確率を高められます。細部まで配慮した一枚が、理学療法士としての信頼感を確かなものにします。
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